ベッリーニ:ミサ曲 イ短調

マルゲリータ・リナルディ、ドーラ・カラル、エルネスト・パラシオ、アゴスティーノ・フェリン、フェルナンド・プレヴィターリ(指揮)、ローマ・イタリア放送交響楽団、同合唱団/ベッリーニ:ミサ曲 イ短調

作曲:ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801 – 1835、イタリア)

曲名:ミサ曲 イ短調

ベッリーニといえば「夢遊病の女」「ノルマ」「清教徒」で知られる、イタリアを代表するオペラ作曲家です。早くに亡くなっていることもあって、オペラしかほとんど作曲していないのですが、それでもこういった宗教音楽作品も残っています。

それにしても、期待を裏切らないというか、なんというか、「もうこれオペラでしょ」とツッコミを入れざるをえません。ベッリーニのオーボエ協奏曲もそうなんですが、オペラ作曲家がオペラ以外の作品を書こうとしても、やはりオペラになってしまうのでしょうか。

冒頭のキリエこそ荘厳ですが、それこそオペラのように劇的なフレーズが出てきたり、あるいは金管のファンファーレが印象的で勇壮なグロリア、ラウダムスでは三拍子の二重唱アリアを聴いているかのような錯覚をおぼえたり、クライマックスともいえるキ・セデスではテノールの独壇場が用意されていたりと、実はけっこう聴きどころ満載です。

個人的にはあまり宗教音楽は聴かないのですが、おそらくこんなに楽観的で朗らかなミサ曲もそうそうないかと思います。というか、歌詞さえ聞いていなければ、どこをとっても完全にオペラです。

クラシックというと、どうしても肩に力が入ったり、眉間にしわが寄ってしまったりするかと思いますが、ときにはこういう楽しみ方ができるのもクラシック音楽のいいところではないでしょうか。

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