ジョヴァンニ・ソッリマ(チェロ)、ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/ハイドン:チェロ協奏曲第2番
作曲:ヨーゼフ・ハイドン(1732 – 1809、オーストリア)
曲名:チェロ協奏曲第2番 ニ長調
ヴァイオリンやピアノなどの花形の楽器に比べればチェロは陰にかくれがちですが、ハイドンのチェロ協奏曲、特に第2番は朗らかに歌うような活気にあふれる作品といえるでしょう。
第2番は1783年に作曲されていますが、それ以前にもチェロ協奏曲はもちろん存在するものの、ハイドンのチェロ協奏曲ほど広く人気を集める作品は、この古典派の時代では他にボッケリーニくらいではないでしょうか。モーツァルトのチェロ協奏曲は残っていませんし、ベートーヴェンもチェロ単独の協奏曲を残していません。そうなると、ハイドンの2曲のチェロ協奏曲がいかに重要なものかということがわかってくる気がします。
ヴィオラとともに「人間の声にもっとも近い楽器」と称されるだけあって、歌うようなメロディーと演奏はまさにチェロにぴったり合っているように思えます。第一楽章の、生命力を感じさせる第一主題、優しい第二楽章、第三楽章ではこれまた歌い踊るようかのようです。
紹介した動画は、現代音楽の作曲家でもあるチェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマと、先鋭的な演奏で知られる古楽器グループ、イル・ジャルディーノ・アルモニコの創設者であり、現在は指揮者としても活躍しているジョヴァンニ・アントニーニ、そしてオランダの名門、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による意欲的な組み合わせの演奏といえるでしょう。