クリストフ・ルセ(指揮)、レ・タラン・リリク/リュリ:歌劇「アルミード」より パッサカリア
作曲:ジャン=バティスト・リュリ(1632 – 1687、イタリア→フランス)
曲名:歌劇「アルミード」より パッサカリア
曲名にもあるように、このパッサカリア(フランス語読みではパッサカイユ)は、もともとリュリが作曲した歌劇「アルミード」のなかの一曲ですが、フランス・バロック音楽の名曲として単独で演奏されることも多い曲です。
リュリはイタリアで人気のあったバロック・オペラをフランス風にアレンジして大成功を収めました。その成功例のひとつが「抒情悲劇(トラジェディ・リリーク)」と呼ばれるもので、この「アルミード」もそのうちのひとつです。
もしかしたら、「歌劇なのか、抒情悲劇なのか、どっちなんだ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「抒情悲劇」はリュリが採用した細かい分類と考えていただければと思います。悲劇があれば「喜劇」もありますし「牧歌劇」というものもあります。そして、それらをまとめた大きな分類として「歌劇」があります。
「アルミード」は抒情悲劇と銘うたれるだけあってとても哀しい物語なのですが、やはりこのパッサカリアも哀しげで、ときに力強いリズムは抗うことのできない激動の運命を表しているかのようです。
冒頭で紹介した動画のクリストフ・ルセはもともとチェンバロ奏者として活躍していましたが、早くからオーケストラ「レ・タラン・リリク」を率いて指揮活動も盛んにおこなっています。これからも活躍が期待される注目の音楽家です。