モーツァルト:ハルモニームジーク版 歌劇「後宮からの誘拐」

アマデウス管楽合奏団/モーツァルト:ハルモニームジーク版 歌劇「後宮からの誘拐」

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756 – 1791、オーストリア)

曲名:歌劇「後宮からの誘拐」のハルモニームジーク版

今回はちょっと変化球のモーツァルトです。「ハルモニームジーク」とは18世紀後半から19世紀前半にかけて流行した管楽器による合奏のことを指します。主にオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットを使った八重奏が一般的のようです。なので、オペラとはいってもこの演奏には歌手は登場しません。

この「ハルモニームジーク」がなぜ親しまれたかというと、オペラや交響曲など、人気のある作品かつ大規模な作品を、管楽器の小規模なアンサンブル用に編曲して、貴族がもっと手軽に楽しむためにつくられたようです。こうしたアンサンブルの生演奏をBGMにしながら、貴族のひとたちは食事やイベントを楽しんでいたわけですね。

特にモーツァルトのオペラはこの「後宮からの誘拐」だけでなく、「魔笛」や「フィガロの結婚」などもハルモニームジーク版が存在しますので、当時いかにこれらのオペラが人気を博していたかがわかります。

紹介した動画の演奏は、オランダのバスティアン・ブロムヘルト率いるアマデウス管楽合奏団によるものですが、このバスティアン・ブロムヘルト、なんと長い間行方不明だった「後宮からの誘拐」のハルモニームジーク版のモーツァルト自筆譜の発見者なんだそうです。

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