パッヘルベル:「アポロンの六弦琴」

ジョン・バット(オルガン)/パッヘルベル:「アポロンの六弦琴」

上の動画はこのサイト用に作成した再生リスト(YouTube)の1曲目です。自動再生でそのまま全曲視聴できます。

作曲:ヨハン・パッヘルベル(1653 – 1706、ドイツ)

曲名:「アポロンの六弦琴」

パッヘルベルといえば、あまりにも「パッヘルベルのカノン」が有名ですが、カノンばかりで他の曲がまったく知られていないというのも少し残念なところです。

パッヘルベルはオルガン奏者として活動しており、そのためオルガンのための曲を多数残しています。「アポロンの六弦琴」は鍵盤楽器のための作品として1699年に出版されました。

バロック時代の鍵盤楽曲は、楽器が指定されずに鍵盤楽器のためとだけ指定された作品が多く、たいていはオルガンやチェンバロなどで演奏されていました。ちなみにピアノはこの時代はまだ開発段階にあり、実際に演奏に使われるのはもう少し後になります。

「六弦琴」とタイトルにありますが、この作品は六つのアリアと変奏から成り立っています。最初にアリア(アリアはもともと「歌」という意味ですが、ここでは曲の主題とでも考えればよいかと思います)が演奏され、その後にそのアリアを変奏していって、それが一曲として作られていて、全体で六曲あるということになります。「六弦琴」と「六つのアリアと変奏」の「6」がかかっているわけですね。ちなみにアポロンはギリシア神話の神でゼウスの子ですが、誕生の際、父ゼウスから竪琴を贈られています。

パッヘルベルの作品は、ちょうど「カノン」がそうであるように、たいていの場合、とても聴きやすいのが特徴かと思います。素朴で明快ですし、あまり感情的な印象を書くのは避けたいところですが、特に長調の曲は優しさすら感じてしまうほどです。

上に紹介した動画はオルガンによる演奏で「アポロンの六弦琴」が全曲収録された数少ないディスクのひとつです。

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