ホルヘ・ボレット(ピアノ)/レーガー:テレマンの主題による変奏曲とフーガ
作曲:ヨハン・バプティスト・ヨーゼフ・マクシミリアン・レーガー(1873 – 1916、ドイツ)
曲名:テレマンの主題による変奏曲とフーガ 作品134
マックス・レーガーは後期ロマン派のドイツの作曲家ですが、どうしてもブラームスやリヒャルト・シュトラウス、マーラーといったロマン派の大家の陰に隠れがちというのが一般的な印象でしょうか。
バッハや古典音楽への回帰を志したこともあって、このテレマンの主題による変奏曲の他にも、バッハやモーツァルトといった作曲家の作品から主題をとってきて変奏曲を作曲しています。
テレマンの主題による変奏曲は、テレマンの有名な大作「食卓の音楽」第3集の第1曲である序曲(管弦楽組曲)のなかのメヌエットから主題がとられていて、華やかな主題と23の変奏、そしてフーガで構成されています。
前半のほうはある意味、古典的な変奏が続きますが、第10変奏からちょっと雰囲気が変わってきます。半音階を多用しているために、どことなく奇妙な浮遊感というか、聞こえ方、響きもずいぶんと違ってきます。ちなみに、バッハにはこの半音階を使った「半音階的幻想曲とフーガ」という名曲があります。後半では転調も経て快活な雰囲気に戻り、最後はフーガで締めくくられますが、このフーガもちゃんとテレマンの主題でできているところがおもしろいですね。
紹介した動画で演奏しているのはキューバ出身のピアニスト、ホルヘ・ボレットです。超絶技巧を必要とする作品を得意としていて、いわゆるヴィルトゥオーゾとして知られるピアニストです。