シューベルト:ロンド イ長調(D 951)

デュオ・クロムランク/シューベルト:ロンド イ長調(D 951)

作曲:フランツ・ペーター・シューベルト(1797 – 1828、オーストリア)

曲名:ロンド イ長調(D 951)

シューベルトはオーストリアのウィーンで活躍した作曲家で、31歳で亡くなりましたが、そのあいだに交響曲から歌曲まで幅広い楽曲を残した大作曲家です。

ここで紹介するロンド(D 951)は「大ロンド」とも呼ばれるピアノ連弾のための作品で、シューベルトが亡くなった1828年に作曲されました。この曲を作曲した約5ヶ月後に亡くなっています。

ピアノ連弾としては最後の作品で、優美なメロディーと高い完成度、そしてピアノのきらびやかな音色を印象づける作品として数々の名ピアニストがとりあげる、人気の高い作品といえるでしょう。

さて、人気の高いこのロンド(D 951)ですが、そもそもピアノ連弾の作品って実はあまり聴く機会は少ないのではないでしょうか。

クラシック音楽を聴きはじめたばかりの方にとっては、連弾や2台のピアノのための作品、あるいは「連弾」という言葉そのものになじみがないかもしれません。

基本的には2人の演奏者で演奏されるのですが、ここで簡単に整理しますと、

ピアノ連弾……1台のピアノを2人で演奏

2台のピアノ……1台のピアノを1人が演奏、もう1台のピアノをもう1人が演奏

というように考えていただければよいでしょう。

このうち、ピアノ連弾は英語では「Piano four hands」と表記されますのでこれを訳して「四手」と呼ぶこともあります。

ここで「ロンド(Rondo)」についても触れておきましょう。ロンドは作曲形式のひとつで「ロンド形式」といいますが、とてもよく使われる形式ですので、おぼえておくと今後のクラシック音楽の楽しみ方がより深まるかと思います。

ロンド形式は、最初に出てくるメロディーを、あいだに別のメロディーをはさみながら何回か繰り返す形式です。

もっともシンプルな形で考えれば、

A – B – A

という具合です。

しかしこれではシンプルすぎますので、一般的には

A – B – A – C – A(小ロンド形式)

A – B – A – C – A – B – A(大ロンド形式)

といった形がよく使われていて、シューベルトのこのロンド(D 951)も、大ロンド形式の「A – B – A – C – A – B – A」にアレンジを加えた形をとっていると思われます。

ロンド形式 – Wikipedia

演奏のデュオ・クロムランクはベルギー出身のパトリック・クロムランクと広島県出まれの桑田妙子の夫妻によるデュオです。スイスのclavesというレーベルからCDを出していますが、抜群のコンビネーションと意欲的なレパートリーで人気を集めました。

残念ながら2人とも亡くなってしまい、またCDも入手困難となっているようですが、YouTubeではclavesによって2人の録音もアップされていますので、気になった方は是非いろいろ聴いてみてください。

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