ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調

パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)、アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)、hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調

作曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882 – 1971、ロシア)

作品:ヴァイオリン協奏曲 二調

ストラヴィンスキーといえば「火の鳥」や「春の祭典」といったバレエ音楽があまりにも有名ですが、このヴァイオリン協奏曲は、それらの有名な作品に隠れながらもコンサートや録音でとりあげられることが比較的多い作品といえます。

楽曲の構成は以下のようになっています。

第一楽章:トッカータ

第二楽章:アリア I / II

第三楽章:カプリッチョ

ロマン派までの協奏曲は、速い楽章、遅い楽章、速い楽章の3楽章で構成されますが、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、速度が楽章の基盤なのではなく、トッカータ、アリア、カプリッチョと曲の性格が楽章の基盤になっています。

ちなみに大雑把に解説しておくと、トッカータは「触れる、打つ」が原語の楽曲形式、アリアは「歌」を意味し、カプリッチョは日本語では「奇想曲」と訳されます。

これはちょうどバロック時代の「組曲」のような構成といえるかもしれません。ストラヴィンスキーが、それまでの「協奏曲」をどのように変えようとしていたのか想像させてくれるポイントのひとつでしょう。

そして、冒頭のヴァイオリンのまさしく「打つ」ように奏でられる大胆さ、ヴァイオリンと他の楽器とのかけあいの色彩の豊かさはこのヴァイオリン協奏曲の一番の魅力といえるでしょう。

ヴァイオリニストのパトリツィア・コパチンスカヤはモルドバ出身の注目株。エネルギッシュな演奏をすることで広く人気を集めています。指揮のオロスコ=エストラーダはコロンビア出身で、近年勢いのある指揮者として日本でもよく知られるようになっています。

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