フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)、ジャン=クリストフ・スピノジ(指揮)、 アンサンブル・マテウス/ヴィヴァルディ:アリア「この喜びをもって会おう」
作曲:アントニオ・ヴィヴァルディ(1678 – 1741、イタリア)
曲名:歌劇「ジュスティーノ」より アナスタージオのアリア「この喜びをもって会おう」
ヴァイオリン協奏曲集「四季」があまりにも有名なヴィヴァルディですが、オペラも多数作曲していることはあまり知られていません。それでも近年は録音が進んで、ヴィヴァルディのオペラに対する再評価が高まっているようです。
歌劇「ジュスティーノ」は、ビザンツ帝国の皇帝アナスタージオとその妹レオカスタ、農民ジュスティーノをめぐる物語で、アナスタージオのアリア「Vedrò con mio diletto(この喜びをもって会おう)」は第一幕で歌われます。
ちなみに「アリア」は、オペラにおいては強い感情表現や印象的なメロディーなど見せ場となる歌ととらえておいてよいかと思います。これに対して、状況やストーリーの進行などを説明する歌を「レチタティーヴォ」と呼びます。
アリア「この喜びをもって会おう」ですが、美しく、切々と歌われながら、激しい音程の上下や長音の装飾的な歌いまわしなど、非常にテクニックが要求されるアリアだということがわかるかと思います。
カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーは若くしてCDデビューを果たしたフランスの逸材です。2007年にフランスのヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク賞の年間最優秀オペラ・アーティスト賞を受賞しており、どうやら紹介した動画はその授賞式での歌唱のようです。